文科省が検討する返還なしの奨学金について

2016/07/01

そもそも大学進学はそこまで必要か

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<文科省>奨学金検討へチーム…返還なし、来月に初会合 毎日新聞 6月30日(木)

文部科学省が貧困層を対象とした返還不要の奨学金制度を創設しようとしている。

近年、大学卒業後奨学金の返済で困っている若者が増えた事が背景にあるようだ。

狂った日本の奨学金制度:大学卒業のために「720万円の借金(利子付き)」を背負うのは自己責任?

こちらのニュースサイトの記事にもある通り、大学卒業後、月5万円の利子返済を12年間以上も続けるのはたまったものではない。

特に貧困層はそれを思うと、大学進学の道を断念せざるを得ないとも言われている。

大学進学率は50%と言われ、皆が行けてるのに自分も大学進学したかったと思う若者も多いかもしれない。

だが費用対効果を考えると720万円かけて大学に行く必要はあるだろうか。

もはや企業としては即戦力を求める時代になり、昔程学歴は重視されていない。

むしろ大学卒業したにもかからず、3ヶ月で会社を辞める新卒者が増えている事の方が問題だ。

大学に進学せずとも、若者が社会で活躍できる土壌を作っていく事も大事である。

無理に大学進学をするより職人・花嫁修業を積む学校があっても良いのでは

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学歴の低い人間の仕事は肉体労働でブルーカラーに、高学歴の人間はデスクワークでホワイトカラーになると言われている。

しかし、ホワイトカラーが増えれば社会が良くなるわけでもあるまい。

資源が乏しい中、日本の産業は優れた技術力で世界から評価をされてきた。

IT技術や金融業も必要だが、ひとえに日本人の職人の技術は世界に誇れるものである。

それと同じく、大工や植木屋、町工場、料理人といったような職人の進路も学歴に等しく誇れる事ではないか。

実際ドイツにはマイスター制度があり、大学進学と等しく学生達の進路の選択肢として定着している。

また、近年は少子化が社会共通の喫緊の課題である。

女性はいくら結婚したくとも、自分が稼げるだけのキャリアを積んでいた頃には結婚適齢期が過ぎていたという事も多い。

また、離婚率の増加や、子育てでどうすればわからず、児童虐待をしてしまう母親やシングルマザーが増えている。

かつては各家庭で継承されてきた子育てのあり方が、核家族化、世代間の繋がりの希薄化から断絶されてきている。

それならばいっそ花嫁修業ができる学校を作っても良い。

社会が多様化してきていると言われているのならば、何も大学にこだわらず進学先も多様化しても良いのではないか。

国家・社会全体に貢献できる貧困層の優秀な学生の救済には必要

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勿論、家庭の経済事情によって大学の進学を希望する若者の道が絶たれてはならない。

何故ならば優秀な人材を支援する事は、のちのち国家・社会にとって有益だからである。

経済的に豊かだが、学習意欲もなく、能力が高くもない若者に大学に来てもらうよりも、よっぽど社会のためになる。

従って、文科省が検討している今回の奨学金制度も、単に貧困層を対象にしているだけでなく、その中でも学習意欲と能力が高い若者を対象としている。

そもそも、大学は単なる就職の斡旋所でも、単なる技術や知識を身に着ける場ではない。

国家・社会に貢献する人材を養成するためにある。

そのための学問であり、単に自らのキャリアアップや知識を身に着けるといった個人的な自己実現が第一義ではない。

 

制度批判だけで財源の根拠なき奨学金制度でいいのか

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もし、個人の自己実現のためだけに大学があるのならば、高校や大学の学費も行政負担であって然るべきだ。

実際、この手の奨学金の問題になると、返還不要の奨学金制度を作るべきだという意見もある。

先のニュースサイトの記事も、現行の奨学金制度や日本の景気のせいであって、奨学金を返せない若者の自己責任ではないと主張する。

しかし、行政の負担は結局国民が税金で負担する。

支援はあって然るべきだが、財源の根拠なき奨学金制度の議論は疑問がある。

一体何のための最高学府なのか、進学をするのか、といった視点もふまえて奨学金制度の議論があって欲しいものである。
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